外構・エクステリア工事の費用目安|後悔しないための価格の考え方

外構・エクステリア工事を検討する方の多くは、業者に見積りを依頼する前に「工事費用の相場」を知っておきたいとお考えではないでしょうか。

実際の流れとしては、
1、まずはインターネットで相場を調べる
2、その情報をもとに業者へ見積りを依頼する
3、複数社の見積りを比較する
4、工事の依頼先を決定する
というケースが一般的です。

しかし、ここでひとつ整理しておきたい視点があります。

費用相場には、大きく分けて「価格を優先した場合の金額」と「工事品質や安全性を優先した場合の金額」という2つの考え方が存在します。

そのため、情報サイトの中には「○万円〜○○万円」と、数十万円以上の幅を持たせた表記になっていることも少なくありません。

この前提を理解しないまま相場情報だけを見ると、ご自身が何を優先したいのかという判断軸が曖昧なまま、業者へ見積りを依頼してしまう可能性があります。

本記事では、「価格優先」「工事品質優先」という2つの視点から相場金額を整理しながら、
・なぜ価格に幅が出るのか
・どのような考え方でどちらを優先するか決めるべきか
を解説していきます。

安さを最優先にするのか。
それとも、安全性や施工品質を重視するのか。

その判断軸を持つことが、後悔しない外構・エクステリア工事への第一歩になります。

価格優先で考えた場合の外構・エクステリア工事の費用目安

生活に必要なものではあるものの、予算も限られており、どちらかというと“価格優先”で工事を検討されたいお客様もいらっしゃるかと思います。

業者がどのように"価格優先(低価格を実現)”しているかは後述するとして

一般的な相場は以下表をご参考ください。

外構工事の相場(価格優先の場合)

項目工事単価の相場(材料費含む)実際の費用例
土間コンクリート12,500円/1㎡あたり駐車場1台・約15㎡…約19万円
ブロック積み(普通コンクリートブロック・2段積み)18,500円/1mあたり境界1面・約15m…約28万円
インターロッキング敷き(一般グレード・6cm厚)28,000円/1㎡あたりアプローチ・約12㎡…約34万円

※現地状況により変動する費用(残土処分費など)は含まず積算しています。

エクステリア工事の相場(価格優先の場合)

項目工事費の相場実際の費用例
カーポート(1台用)46,000円奥行5m×間口2.4m・ポリカ屋根の製品(約14万円)を設置…約19万円
カーポート(2台用)92,000円奥行5m×間口5.4m・ポリカ屋根の製品(約27万円)を設置…約36万円
カーポート(3台用)138,000円奥行5m×間口7.2m・ポリカ屋根の製品(約80万円)を設置…約94万円
サイクルポート43,000円奥行2.2m×間口2.1m・ポリカ屋根の製品(約9万円)を設置…約13万円
門扉48,000円①間口70cm・片開き(約8万円)を設置…約13万円
②間口1.4m・両開き(約12万円)を設置…約17万円
伸縮門扉53,000円幅3.5m・片開き・キャスター式(約16万円)を設置…約21万円
跳ね上げ門扉79,000円幅3.0m・手動開閉(約22万円)を設置…約30万円
テラス屋根43,000円奥行1.5m×間口2.7m・ポリカ屋根の製品(約8万円)を設置…約12万円
ウッドデッキ14,000円/1㎡あたり
※~4㎡までは“一式金額”となる場合あり。
奥行1.2m×間口3.6m・人工木の製品(約14万円)を設置…約20万円
目隠しフェンス12,000円/1mあたり
※~4mまでは“一式金額”となる場合あり。
高さ1.8m×長さ6.0mの製品(約20万円)を設置…約27万円

※現地状況により変動する費用(残土処分費など)は含まず積算しています。

業者がどのように価格優先(低価格の実現)をしているか

サービスが低価格であることは、大きな魅力の一つであるといえます。
業者にとっても低価格を実現することで、購入者が増えるメリットがあります。

それでは、工事において業者がどのように低価格の実現をしているか、一例を紹介します。

低価格を実現するための一例

【エクステリア製品の基礎サイズの最小限化】

カーポートなど、柱が備わるエクステリア製品の“基礎”を小さくするケースです。

各製品には、製造メーカーが定めた「施工規準」があり、そこには“基礎の大きさ”や“適正な工法”が示されています。

その施工規準を適用せず、規準よりも基礎を小さくしたり、工法の手順を一部省いたりすることで…
“使用材料の削減”や“工期の短縮”をして、低価格を実現しています。

規準よりも小さい基礎で施工したイメージ
簡易板で基礎下の砕石層を省いたイメージ

価格優先のデメリット

価格優先の工事は低価格が魅力である一方で、
・商品保証が適切に受けられない
・製品の性能(耐風圧や耐積雪)が十分に発揮されない
・確認申請を伴う場合、工事の設計審査で認められない
適正な施工規準で行われた工事に比べ、こういったデメリットが発生する可能性が高いです。

価格優先の計画を立てる場合は、「そのデメリットやリスク」を理解したうえで選択することがとても重要です。
その前提があれば、価格優先も決して間違った選択ではありません。

では、工事品質や安全性をより重視した場合、外構工事の費用はどのように変わるのでしょうか。

工事品質を優先で考えた場合の外構・エクステリア工事の費用目安

耐久性や安全性、将来的なメンテナンス性まで含めて計画を立てる場合、いわゆる「工事品質優先」という考え方になります。

ここでいう品質優先とは…
完成後の見た目だけでなく、安全性を兼ね備え、5年後・10年後の状態まで見据えた、設計・施工という考え方です。

一般的な目安としては、次のような価格帯になります。

外構工事の相場(工事品質優先の場合)

項目工事単価の相場(材料費含む)実際の費用例
土間コンクリート16,500円/1㎡あたり駐車場1台・約15㎡…約25万円
ブロック積み(普通コンクリートブロック・2段積み)34,200円/1mあたり境界1面・約15m…約51万円
インターロッキング敷き(一般グレード・6cm厚)45,000円/1㎡あたりアプローチ・約12㎡…約54万円

※現地状況により変動する費用(残土処分費など)は含まず積算しています。

エクステリア工事の相場(工事品質優先の場合)

項目工事費の相場実際の費用例
カーポート(1台用)99,000円奥行5m×間口2.4m・ポリカ屋根の製品(約14万円)を設置…約24万円
カーポート(2台用)195,000円奥行5m×間口5.4m・ポリカ屋根の製品(約27万円)を設置…約47万円
カーポート(3台用)298,000円奥行5m×間口7.2m・ポリカ屋根の製品(約80万円)を設置…約110万円
サイクルポート80,000円奥行2.2m×間口2.1m・ポリカ屋根の製品(約9万円)を設置…約17万円
門扉64,000円①間口70cm・片開き(約8万円)を設置…約15万円
②間口1.4m・両開き(約12万円)を設置…約19万円
伸縮門扉64,000円幅3.5m・片開き・キャスター式(約16万円)を設置…約23万円
跳ね上げ門扉90,000円幅3.0m・手動開閉(約22万円)を設置…約31万円
テラス屋根59,000円奥行1.5m×間口2.7m・ポリカ屋根の製品(約8万円)を設置…約14万円
ウッドデッキ20,000円/1㎡あたり
※~4㎡までは“一式金額”となる場合あり。
奥行1.2m×間口3.6m・人工木の製品(約14万円)を設置…約23万円
目隠しフェンス18,000円/1mあたり
※~4mまでは“一式金額”となる場合あり。
高さ1.8m×長さ6.0mの製品(約20万円)を設置…約31万円

※現地状況により変動する費用(残土処分費など)は含まず積算しています。

工事品質を優先すると費用が上がる主な理由

○メーカー施工規準に沿った工事

前項「業者がどのように価格優先(低価格の実現)をしているか」でも説明しましたが、各エクステリア製品には製造メーカーが設けた「施工規準」があります。

この施工規準には、適正な基礎の大きさや工法、施工手順などが記載されており、これに沿って施工することで、製品の性能を正しく発揮したり、安全に使用することができます。

その一方で、価格優先の工事(施工規準に沿わない工事)に比べて、工期が長くなったり、使用材料が増え、結果的に総額費用の増加につながります。

施工規準に沿った工事の一例

【基礎の下に防沈層(割栗石や砕石などで締め固め、基礎が沈まないようにする)を設ける作業】

この作業は、基礎の沈下を防止する意味とともに、万が一"柱内部に水が入った際に下部に水が抜ける”構造とする意味もあります。
※柱内部に水が溜まったままだと、内部の水が凍り(凍結膨張して)、柱を変形するリスクがあります。

YKKAP カーポート施工説明書より抜粋
実際に基礎下の砕石層を設けている様子

また、ブロック積みやインターロッキング敷きなどの外構工事においても、ブロックメーカーがだす“施工規準や指標”があり、これに沿って工事すると費用が高くなる傾向にあります。

参考:エスビック株式会社
コンクリートブロック塀の規準
インターロッキングブロックの施工方法

○施工の管理体制による負担

工事品質を優先した業者では、その品質を保つために、独自の工程管理・品質管理を徹底する体制づくりが行われていることが多いです。

上記した“メーカー施工規準”を、各製品・工事ごとに都度確認して設計図を描き起こす作業や、現場での管理など、それらを行う人員増や負担増が、結果的に費用の増加につながります。

工事品質優先のデメリット

品質優先の工事は、製品性能が正しく発揮されることやその安全性が魅力である一方で、
・費用が高くなる
・工期が長くなる(見積り~完工までが長期になりがち)
・工事内容が複雑(見積項目が多く複雑になりがち)
価格優先で行われる工事に比べ、こういったデメリットが発生する可能性が高いです。

また、注意しなければいけない点として…
工事品質優先=豪華仕様ではないという点です。
基本的に、価格優先の工事であっても、完成後の"製品の見た目”は同じになる場合が多いです。

あくまで、基礎や下地などの“見えない部分にどれだけ配慮するか”の違いです。

外構・エクステリア工事は、完成直後よりも5年後・10年後に差が現れます。

ひび割れ、傾き、排水不良、倒壊など。
これらは多くの場合、施工時の仕様選択に起因します。

品質を優先するという選択は、将来的な補修コストや不安を抑えるという考え方でもあります。

それでは、価格優先と品質優先、どちらを選ぶべきなのでしょうか。

「価格優先」と「工事品質優先」どちらを選ぶべきか?

ここまで、価格優先と品質優先という、2つの考え方とその相場をご紹介してきました。

どちらにもメリット・デメリットがあり、どちらを優先するか判断も難しいのではないでしょうか。私としても、どちらが正解・不正解ではなく“選択肢”であると考えています。

ここで、判断の指標として大切にしていただきたいのは、「何を優先したいのか」をお客様が明確にすることです。

たとえば、
・初期費用をできるだけ抑えたい
・将来的にリフォームを前提としている
・必要最低限の機能があればよい
という場合は、価格優先の考え方が合理的な選択になります。

一方で、
・長く安心して使いたい
・やり替えや補修のリスクを減らしたい
・保証が適切にうけられるようにしたい
・将来的な資産価値を意識したい
という場合は、品質優先の計画が適しています。

このように、自身の優先事項を明確にすることで、納得のいく工事ができ、知らず知らずのうちに損をしてしまうようなことも減ります。

まとめ

我々のような、業者としても「お客様が納得し、満足するもの」をお引渡ししたいと考えております。
もしも、自身の優先事項が曖昧になってしまった場合には、業者にアドバイスを求めるのも良いかと思います。

また、見積りをとった業者が、価格優先なのか・工事品質優先なのか分からない場合には、その見積りとともに、下の記事をご参考にしていただければと思います。

ブログ記事:外構・エクステリア工事の見積りで失敗しないための5つの注意点|価格だけで選ぶと後悔する理由

これから、外構・エクステリア工事をご検討する方も、「いくらかかるか」だけでなく、「どのような前提条件で施工するか」をぜひ確認しましょう。

見積りを比較する際も、単純な金額差ではなく、
・価格優先なのか工事品質優先なのか
・自分の優先事項を叶えることができるか
・ここに工事をお願いして満足できそうか
といった点を確認することで、初めて"正しい比較”ができます

この記事の筆者

堀米 元樹

PLATINUM EXTERIOR 代表

二級建築士