こんな駐車場には注意!カーポートを設置しにくい3つのパターン|カーポート工事を安くするポイント

エクステリアの中でも人気の高いカーポートですが、すべての家の駐車場に問題なく設置できるかというとそうではありません。

「家を購入したらカーポートも欲しいな」とお考えの方であれば、どのような駐車場には設置しにくいのかを知っておかないと、余計な費用がかかってしまったり、最悪の場合には設置できないことにもなってしまいます。

そこで今回は“家をこれから購入する方”や“カーポートの設置ご検討中の方”向けに、「カーポートの設置しにくい駐車場」について解説をしてまいります。

本文では、設置しにくいパターンごとに専門的な対処方法も解説しており、これらを知ることで“カーポート工事を安くすませる”ことにもつながりますので、ぜひ最後までお読みいただければと思います。

カーポートを設置しにくい駐車場の例

① 配管がある場合

住宅の敷地内には、水道管・排水管・ガス管・電気配線管などが地中に埋設されていて、それらが駐車場も経由していることがほとんどです。

とくに、下の画像のように駐車場のブロック壁寄りに「量水器(メーターボックス)」があるのは、よくあるパターンです。

駐車場に量水器があるパターンの画像
駐車場に設けられた「量水器(水道メーターボックス)」のイメージ

こういった状況の場合、量水器から伸びる水道管はブロック壁ぎわを沿って埋設されている場合が多く、カーポートの柱をブロック壁側に建てることは難しいケースといえます。

干渉するケースを平面図で説明
干渉するケースを平面図で説明

このパターンで考えられる追加工事

このような場合には、埋設された「配管の経路を変える工事(切りまわし)」が必要となり、カーポートを設置する業者と別途で、資格をもった専門業者を手配することが一般的です。

既存に開けた穴(カーポートの柱を建てるための穴)内の配管を一箇所だけ切りまわす程度であれば、大きな追加費用となりませんが、周囲のコンクリートを解体する必要があったり、市町村への工事申請が必要になる場合には追加費用は高額になっていきます。

水道管の切りまわし工事の様子
水道管の切りまわし工事の様子

追加工事の費用

【 目安 3.5~15万円 】

配管の切りまわし作業:3.5万円
周囲のコンクリートの解体処分、補修:8~10万円
市町村への工事申請代行:2万円
※その他に材料・工事・作業が必要となる場合もございます。

ポイント / 専門的な対処方法

これから住宅設計をする段階であれば、ハウスメーカー担当者に「将来的にカーポートを設置したい」ことを事前に伝えて、カーポートの設置に干渉しない配管計画にしてもらいましょう。

建売住宅を購入する場合には、駐車場のチェックとともに、埋設された配管がどこに埋まっているか、どんな経路で通っているか「図面(配管図、設備図など)」を確認することで、カーポートを問題なく設置できるかがより正確に知ることができます。

干渉する配管がある場合でも、検討中の商品を変えることにより、設置できるケースもあります。
例えば、カーポートの形状や柱の本数を変えたり、カーポートからテラス屋根に選択肢を変えたことで、結果的に工事費用を抑えて設置できた事例もあります。

② 変形地の場合

駐車場が道路や建物に対して「平行・垂直」になっていない場合には注意が必要です。

台形の駐車場のイメージ

こういった駐車場では、道路にカーポートの屋根が飛び出てしまうケースがございます。

屋根が道路に越境するケースを平面図で説明

このパターンで考えられる追加工事

このような場合には、メーカーのオプション(異形用の加工)部材を使用することで、カーポートの屋根を台形や多角形に変えることができます。

その場合には、カーポートの基本工事代金に加えて、オプションの部品代とその取付加工費が発生します。

カーポートの異形加工の例

追加工事の費用

【 目安①(1台用カーポート) 6~12万円 】

オプション部品代:2~6万円
取付加工費:4~6万円
※アルミ製カーポート(屋根ポリカ材)・2本柱の費用例。
※その他に材料・工事・作業が必要となる場合もございます。

【 目安②(2台用カーポート) 9~17万円 】

オプション部品代:3~9万円
取付加工費:6~8万円
※アルミ製カーポート(屋根ポリカ材)・4本柱の費用例。
※その他に材料・工事・作業が必要となる場合もございます。

ポイント / 専門的な対処方法

これから住宅設計(外構や駐車場が未完成)の段階で、前面道路と敷地が“平行・垂直”の関係となっていない場合、担当者に相談してカーポートが追加費用なく工事できるよう外構の設計をしてもらいましょう。

建売住宅を購入する場合には、予め設置したいカーポートのサイズを確認しておき、現地の駐車場で計測を行い、追加費用なく設置できそうか確認しましょう。下の画像のように“駐車場の奥行が長い”場合、斜めの駐車場でもそのままカーポートを設置できるケースもあります。

駐車場の奥行で追加工事が不要になる例

カーポートの大きさ(サイズ)には、ある程度決められた規格があるものの、メーカーによってはその規格に大きな差があることも多いです。加工しないでも設置ができないか、検討している以外のメーカー商品も確認してみましょう。
また、どうしてもカーポートが設置できない場合には「大きめのサイクルポート」を採用するのもひとつの手です。

③ 急な水勾配の場合

「水勾配(雨勾配)」とは駐車場に雨水などが溜まらないように地面についた“傾き(かたむき)”のことで、駐車場であれば1~2%程度の水勾配がついています。

しかし、何らかの理由によって、通常よりも「急な水勾配」となってしまう駐車場も存在します。
例えば、5%の水勾配の駐車場があるとすると、5mの距離があれば、先端と終端の高低差は25cmにもなります。

「水勾配」の図説

そして、このような急勾配の駐車場にカーポートを設置すると、なにが問題になるかというと…

カーポート下の“有効な高さ(駐車できるスペース)”が小さくなってしまうという点です。ミニバンのような高さのある車を入庫する際には注意が必要となります。

急勾配の駐車場にカーポートを設置したイメージ
急勾配の駐車場にカーポートを設置したイメージ

※「カーポート柱高さ」の基準値は、埋め込みが浅くなる側(水下側)の柱の寸法となります。
※梁上に屋根材が乗るタイプのカーポートでは有効高さの考え方が変わります。

このパターンで考えられる追加工事

このように「急な水勾配のせいで、駐車場の有効高さが低くなってしまう場合」には、カーポートの柱高さを標準よりも長いものに変えることで解決できます。

しかしながら、
柱を標準よりも長い(高い)ものに変えた場合、以下のようなデメリットも発生します。
・横向きの雨風が入りやすくなる
・日射の遮蔽効果が下がる
・屋根上の掃除や雪降ろし作業が難しくなる

追加工事の費用

【 目安 1.5~2万円 】

標準柱からロング柱に変更(柱長さ+約30cm):1.5~2万円
※アルミ製カーポート(屋根ポリカ材)・2本柱の費用例。
※その他に材料・工事・作業が必要となる場合もございます。

ポイント / 専門的な対処方法

駐車場が急な水勾配となってしまう主な理由は、「道路に対して住宅(玄関ポーチ)の位置が高い」ことです。水害や雪害などの地域的な状況から、基礎を高く作る必要がある場合もあるので、住宅の高さを施主が指示することは控えた方が良いですが、玄関ポーチの階段の段数を増やしたり、外構の工夫で、駐車場の水勾配を小さく抑えることも可能です。ハウスメーカー担当者や外構業者にも相談しながら新築の計画を進めましょう。

建売住宅を購入する場合には、駐車場の水勾配をチェックしましょう。駐車場の奥行(=D)、手前と奥側の高さの差(=H)を測ることで、水勾配を算出することができます。急な水勾配(5%以上)となっている場合には、前述したカーポート設置のデメリットに加え、車を停めたときの乗降り、車輪の付いたもの(車いすやベビーカー等)が勝手に動いてしまうなどの、使いにくさを感じる可能性があるので注意が必要です。

駐車場の水勾配の算出方法
駐車場の水勾配の算出方法

既存の駐車場が急な水勾配となっている場合、その水勾配を直そうと思うと大がかりな工事が必要となってしまいます。
勾配のせいで標準の高さのカーポートでは車両が入庫できない場合には、ロング柱としつつ“適度な高さ”になるよう柱をカットしてもらうのも一つの手です。
また、柱を高くしても雨風が比較的入りにくい「逆勾配(前下り)屋根のカーポート」も選択肢として考えられます。

製品例(LIXIL・フーゴF 逆勾配)

まとめ

ここまで「カーポートが設置しにくい」駐車場の代表的な例をいくつかご紹介しましたが、他にもカーポートを設置するのに適さない例も多くあります。

そういったことからも「これから住まいを探そう、そしてカーポートも設置したい」とお考えの方は、早めに情報を収集したり、エクステリア・外構の専門業者に相談することをおすすめします。

家を購入してから、カーポートを設置しようと相談してみたら、希望商品が設置できない…追加工事で余計な費用がかかった…ということもあります。

業者としても、早めに相談があれば、「適した駐車場選び」などをお手伝いできる場合もありますので、正しい知識をもった信頼のできる業者に相談をしてみましょう。

カーポートは既製品を設置するだけの工事に見えますが、実際には敷地条件や動線、周辺環境を踏まえた設計が必要です。

特に設置しにくい条件の駐車場では、寸法だけで判断すると「設置できたとしても使いにくい」といった問題が起こりやすくなります。
そのため、単純なサイズ選びではなく、実際の使い方まで考慮した設計が重要になります。

もしも・・・
・何から調べれば良いかよく分からない
・自分の考えをうまく整理できていない
・適切な判断ができているか聞いてみたい
といった場合は、専門家に相談することで方向性が明確になることもあります。

私たち・PLATINUM EXTERIOR は、業界初の工事記録サービスをはじめとして、暮らしに安心と品格を添える“本物のエクステリアづくり”を行っています。
まだ明確に商品や工事の仕様が決まっていない場合でも、お客様の優先事項に沿ったご提案をいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。

この記事の筆者

堀米 元樹

PLATINUM EXTERIOR/代表

二級建築士