カーポートの基礎は何センチなら大丈夫?|安心の基準と後悔しない業者の選び方

カーポートを初めてご検討される方の中にも、
「カーポート工事で大切なこと=基礎工事」と思われる方も多いのではないでしょうか?
まさに、その通りです。
カーポートを安定して支え、風や積雪などの力に耐えるうえで、基礎は特に重要な役割を担っています。
一方で、
「どのくらいの大きさなら、適正なの?」と言われると、具体的に"何センチが正しい"か答えるのは難しいのではないでしょうか。
インターネットで調べてみても・・・
- カーポートの基礎は何センチあればよい?
- 30cm角では小さすぎる?A3用紙サイズで十分?
- 基礎の深さは50cm?60cm?
- 小さい基礎は手抜き工事?
など、基礎の大きさや深さに関する、さまざまな疑問や不安が見つかります。
そして、
残念ながら工事をしてもらった後に、基礎の大きさや施工方法に不安を感じ、設置業者とのトラブルなどになった事例も多くあります。
これからカーポートを設置される方にとって大切なのは、工事が終わってから「この基礎で本当に大丈夫なのだろうか」と不安になるのではなく、工事を依頼する前に、"適正な基礎の大きさ"の判断材料を知っておくことです。
はじめてカーポート工事を検討している方にも簡単に分かりやすく、何を根拠に考えればよいのかを解説します。
あわせて、工事後に後悔しないために、業者を選ぶ際の確認しておきたいポイントもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
- 1. カーポートの基礎は何センチが適正なの?
- 2. なぜ、メーカー施工基準と異なる工事も行われているのか
- 2.1. 理由①法律による規制の問題(カーポートのグレーゾーンとしての取扱い)
- 2.2. 理由②量販店の販売方法に合わない
- 3. メーカー施工基準に沿った工事はどんな人に向いている?
- 3.1. 工事品質の「アタリ・ハズレ」を避けたい
- 3.2. 性能の高い商品を選ぶなら工事にもこだわりたい
- 3.3. 購入後のメーカー保証まで大切にしたい
- 3.4. 台風や大雪による被害にも備えておきたい
- 4. 「基準に沿った工事・沿わない工事」どちらが良いか迷ったときは
- 5. 後悔しない業者の選び方
- 5.1. 1、自分のための「判断材料」を出してくれている業者か
- 5.2. 2、選んだ工事内容を、見積りや図面でも確認できる業者か
- 6. まとめ

カーポートの基礎は何センチが適正なの?
「30cm角では小さいのか?深さが50cmあれば安心なのか?」
じつは、すべてのカーポート製品に共通する「この大きさなら大丈夫」という寸法はありません。
適正な大きさは、メーカーが製品ごとに定めています。

家具の「組立説明書」をイメージすると分かり易いですが、
カーポートも製品ごとに、そのような"正しいつくり方"の資料があります。そこには、その製品の組立て方法とともに、適した基礎の大きさ(幅・奥行き・深さなど)が書かれています。
このように、適正な基礎の大きさをはじめとして、製造メーカーの定める"その製品の工事方法に関する適正な基準"を「メーカー施工基準」と言います。
※メーカー施工基準について詳しくは、別記事:安心の指標"メーカー施工基準"とは?をご覧ください。
▼ すでに欲しいカーポートが決まっている方は、
各メーカーサイトで、商品名や型番から当該資料を検索できます。
それでは・・・
メーカーがそのように「適正な基礎の大きさ」を定めているのであれば、どの業者へ依頼しても、同じような基礎がつくられ、工事後のトラブルも起きないように思えます。
ところが実際には、メーカー施工基準に沿わない工事が多く行われています。
なぜ、しっかりとした基準があるのに守られていないのでしょうか?
なぜ、メーカー施工基準と異なる工事も行われているのか
「メーカー施工基準があるにもかかわらず、実際の工事では、そこに書かれた基礎の寸法通りの大きさでないことが多い。」
一見すると不思議ですが、その背景には、カーポート工事が置かれてきた環境と、現在の販売方法が関係しています。
理由①法律による規制の問題(カーポートのグレーゾーンとしての取扱い)

本来であれば、カーポートも住宅と同じように、「この建物のつくり方は適正なのか、安全なのか」という審査や検査を受けるべきものです。
しかし、住宅などに比べると、そうした意識や規制も緩く、長いあいだグレーゾーンのように扱われてきました。
そのため、メーカー施工基準などをもとに、適正な基礎工事の計画をし、その通り施工されたかを確認する流れも定着してきませんでした。
基礎の大きさが、事前に決められていなかったり、見積りや発注書に書かれていなければ、現場で納めやすい方法が選ばれます。
その結果、同じカーポートでも、20cmや30cmなど、現場によって異なる基礎がつくられてきたのです。
※カーポートの法律上の取扱いや建築確認申請が必要となる条件は、地域・規模・設置条件などによって異なります。詳しくは「カーポートは建築確認申請が必要?…」をご参照ください。
理由②量販店の販売方法に合わない

カーポートの代表的な注文先には、ホームセンターやネット通販など、大量販売を前提とした販売店があります。
こうした販売店が得意とするのは、短いサイクルで多くの商品を販売することです。
メーカー施工基準に沿った工事を計画するには、一件ずつ設置条件を確認し、設計や見積りにも時間をかける必要があるため、この仕組みには組み込みにくい面があります。
そのため、工事計画にメーカー施工基準が採用されず、「早く・安く」売るための、販売店ごとの方法で基礎の大きさが決められることがあります。
ここまでの話を聞いていると、
「メーカー施工基準に沿っていなくても、普通にカーポートが建っているなら、それでも良いんじゃないの?」
そう思われる方もいるかもしれません。
では、時間や手間をかけて、メーカー施工基準に沿った工事を選ぶ意味はどこにあるのでしょうか。
メーカー施工基準に沿った工事はどんな人に向いている?
メーカーの基準があるならそれに沿った方が良いのでは?と思う反面、そうでない工事も多いと知ると、「自分はどちらにするべきか」と迷う方もいらっしゃるかと思います。
そのバランスを考える手掛かりとして、まずはメーカー施工基準に沿った工事が、どのような方に向いているのか(4つのメリット)を整理してみます。
工事品質の「アタリ・ハズレ」を避けたい
前述のように、基準と異なる工事をした場合、基礎の大きさや組み立て(工事の品質)が、工事を計画する人や実際につくる人によって変わります。
しかし、工事を依頼する前に、その「品質の差=アタリ・ハズレ」を見極めるのは簡単ではありません。
メーカー施工基準では、基礎の大きさや下地、養生期間、使用するビスやボルトなど、守るべき工事内容が商品ごとに決められています。
担当者の経験・技量・感覚などに委ねず、誰が担当しても同じルールに沿って施工することで、一定の品質と安全性を保つための基準になります。
性能の高い商品を選ぶなら工事にもこだわりたい
カタログに記載された耐風圧強度や耐積雪強度は、商品をメーカーの指定する方法で正しく取り付けられることを前提とした性能です。
せっかく強度やデザインを吟味して商品を選んだからこそ、その性能を足元からしっかり支える工事内容までセットで担保しておきたい方に適しています。
購入後のメーカー保証まで大切にしたい
商品にメーカー保証が付いていても、どのような工事でも同じように保証されるわけではありません。
メーカーの商品保証は、メーカー施工基準に沿って正しく取り付けられていることが前提です。基礎工事や取付工事など、施工不備が原因となった不具合は保証の対象になりません。
せっかく保証のある商品を選ぶのであれば、日頃から安心して使え、必要なときには保証を受けられる状態で設置しておきたい。そう考える方にとっても、メーカー施工基準に沿った工事を選ぶ意味があります。
※商品保証に関する詳細は、メーカーの案内をご確認ください。
参考:LIXIL「エクステリア製品の保証」/三協アルミ「ガーデンエクステリア商品の保証」
台風や大雪による被害にも備えておきたい
台風や大雪などの自然災害でカーポートが壊れた場合、加入している火災保険の契約内容によっては、修理費用が補償されることがあります。
一方で、基礎の大きさが足りないなど、施工不備が原因で壊れた場合は、補償の対象にならないことがあります。
万が一の被害に備え、施工不備によって火災保険の対象外となるリスクを減らしておきたい場合にも、メーカー施工基準に沿った工事を選ぶ意味があります。
※火災保険の補償範囲や保険金の支払条件は、契約内容や事故原因によって異なります。詳しくは、加入している保険会社または保険代理店へご確認ください。
参考:東京海上日動「火災保険で補償されないケース」
工事品質、商品の性能、保証、災害への備え。これらを大切にしたい方にとって、メーカー施工基準に沿った工事を選ぶ理由は十分にあります。
そのうえで、実際に工事を選ぶときには、予算感や設置条件とのバランスも考えることになります。
「基準に沿った工事・沿わない工事」どちらが良いか迷ったときは
メーカー施工基準に沿った工事には、商品の本来の性能を引き出し、メーカー保証や災害への備えにもつながるメリットがあります。
一方で、工事にどこまでの品質や備えを求めるかは、お客様ごとのご予算、暮らしの考え方によっても異なります。
大切なのは、「基準などの"工事の違い"を知らないまま、価格だけで決めてしまう」のではなく、それぞれの工事の特徴や意味を知ったうえで、ご自身が納得できる工事内容を選ぶことです。
ご自身にとって本当に必要な工事内容を整理するために、次の2つの視点で考えてみてください。
- 「カタログ通りの性能と安心感」をどこまで重視したいか
風の強い地域であったり、万が一の破損リスクや保証の有無を最も重視したい場合は、メーカー施工基準に沿った工事を選ぶ価値が非常に高くなります。 - 「予算や設置条件とのバランス」をどこまで求めるか
使用期間が限られている場合や、現場の状況・ご予算とのバランスを優先したい場合は、基準以外の工事という選択肢を吟味する余地も生まれます。
どちらの工事が正解ということはありません。
自分がカーポートに何を一番求めているのかを整理し、納得して工事内容を決めることが、満足のいく工事への第一歩になります。
後悔しない業者の選び方
自分に合った工事を選べるかどうかは、相談する業者が、工事の違いをどこまで分かる形で示してくれるかによっても変わります。
業者を選ぶときには、価格や商品の種類だけでなく、相談や見積りの段階で、次の2つを確認してみてください。
1、自分のための「判断材料」を出してくれている業者か

業者が、自社の商品や工事を勧めるのは自然なことです。
大切なのは、それらを勧める際に、ほかの工事との違い、費用差、注意点まで説明し、「自分のために、適正に比較できる選択肢」をくれるかどうかです。
たとえば、メーカー施工基準に沿った工事であれば、どのようなメリットがあり、なぜその費用になるのか。
基準に沿わない工事であれば、なぜ価格を抑えられるのか、性能や保証にどのような違いがあるのか。
そこまで説明されていれば、提示された価格だけで決めるのではなく、自分に合った工事を比べて選べます。
2、選んだ工事内容を、見積りや図面でも確認できる業者か

相談の際にどれだけ丁寧な説明を受けても、見積りに「工事一式」としか書かれていなければ、どのような基礎を選んだのか確認できません。
基礎の幅・奥行き・深さが記載され、その寸法がメーカー施工基準によるものなのか、業者が定めたものなのかまで分かれば、依頼する工事内容が明確になります。
メーカー施工基準に沿った工事なら、施工説明書の該当箇所など、その寸法の根拠も示されているか。
基準に沿わない工事なら、基礎寸法に加えて、性能や保証に関する注意点まで記載されているか。
口頭の説明だけで終わらず、選んだ内容が書面に残っていれば、契約前に、自分の希望と合っているかを確認できます。
まとめ
冒頭で紹介した"工事後に基礎工事へ不安をもたれた方の事例"のように、「どんな基礎がつくられるのか」を知らされないまま工事が進み、「なぜその大きさなのか」を納得しないまま完成してしまうからこそ、あとから不安が込み上げてくるのです。
カーポートは、商品や価格だけでなく、それを支える「基礎工事」まで、工事が始まる前に比べて選ぶことができます。
「基礎は何センチなら大丈夫?」という疑問から一歩進んで、工事の違いや理由を知り、自分自身が納得して選ぶこと。
その「自分で納得して決めた」というプロセスが、工事が終わったあとにも残る安心につながります。

もしも……
- 自分のカーポートに必要な基礎の大きさが分からない
- 提示された見積りが、メーカー施工基準に沿っているか確認したい
- 見積りや契約書の通り、工事が実際に行われたか確認できるようにしたい
といった場合は、ぜひお気軽にご相談ください。
専門家へ相談することで、工事の方向性が明確になることもあります。
私たち・PLATINUM EXTERIORは、お客様に「ご契約前から"安心"して、工事をご依頼いただける」ことを目標として、メーカー施工基準に沿った工事(メーカー正規工事)と、その工事内容を見える形で残す工事記録サービスを提供しています。
まだ商品や工事の仕様が明確に決まっていない場合でも、お客様が何を大切にしたいのかを一緒に整理し、その優先事項に沿ったご提案をいたします。
この記事の筆者
堀米 元樹
PLATINUM EXTERIOR/代表
二級建築士


