後付けバルコニーは建築確認申請が必要? | 違法にならないための注意点を専門店が解説

後付けバルコニーをご検討中のお客様から、
「建築確認申請は必要ですか?」
「申請せずに設置すると違法になりますか?」

といったご相談をいただくことがあります。

後付けバルコニーは人気のあるリフォームで、ホームセンターなどでも気軽に頼める工事ではありますが、知らずに工事を進めてしまうと、将来的に思わぬ問題につながることもあるため注意が必要です。

この記事では、後付けバルコニー工事における建築確認申請の考え方や、違法にならないためのポイントを専門店の視点からわかりやすく解説します。

結論から

結論から申し上げると、後付けバルコニー工事は建築確認申請(以下「確認申請」と称する)が必要になる場合があります。

建築物条件や増築扱いとなる規模、地域指定などによって、その対象となれば確認申請が必要となります。

インターネット上などで「申請はいらない」という情報を目にしても、情報を鵜のみにして判断するのは危険です。
また、見積りを業者に依頼した際に、「とくに確認申請については話してなかったから、大丈夫だろう」とそのまま工事を依頼すると、知らないうちに損をする場合もありますのでご注意ください。

最終的な判断(確認申請が必要かどうか)は行政機関が行うので、以下でご紹介する“後付けバルコニー工事で確認申請が必要になりやすいケース”をチェックして、市区町村の建築指導課・都市計画課等に事前に相談を行うなど、違法な工事とならないよう気を付けましょう。

確認申請について説明

具体的なケース紹介に入る前に、まず確認申請とはどのようなものか、ざっくり説明いたします。

確認申請とは、その工事(計画)が、建築基準法その他関係法令に適合しているのかどうか、行政や第三者機関による事前チェックを受けるものです。

指定区域内や一定の要件を満たした建築物や工作物などの建築行為をする場合には、確認申請を行い、検査を受けることが、建築基準法(第6条)により定められています。

確認申請が必要な工事にも関わらず手続きを行わずに着手した場合、行政からの是正勧告・指導・是正命令(建築物の除去、改修など)を受け、それに従わなかった場合には、3年以下の懲役や300万円以下の罰金が建築主や工事の請負人などに科されます。

確認申請が必要になりやすいケース

それでは、後付けバルコニー工事において、どのようなケースで“確認申請が必要となる可能性があるか”ご紹介してまいります。

① “建築物”扱いとなる場合

建築基準法(第2条)では、以下のような条件を満たすものが“建築物”と定義されています。
1. 土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの(これに類する構造のもの)
2. 1に付属する門もしくは塀
3. 観覧のための工作物
4. 地下・高架の工作物内に設ける事務所、店舗、興行場、倉庫、その他これらに類する施設
5. 1~4に設ける建築設備

後付けバルコニーが、建築物とされるか考えると「1. 土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの」の条文が重要となります。

例えば、2階用の後付けバルコニー(柱建て式)を設置した場合、一階からみるとバルコニーの床が屋根となり(屋根及び柱を備えた)、建築物と解釈されることがあります。
また、屋根付きバルコニーも同様に建築物と解釈される可能性が高いです。

2階用の後付けバルコニー(柱建て式)のイメージ
屋根付きバルコニーのイメージ

② 10㎡を超える規模の場合

先述した“建築物”扱いとなった後付けバルコニーを工事すると、必ずしも確認申請が必要とはなりません。

というのも…
建築基準法(第6条2項)にて、確認申請の実施について「・・・建築物を増築し、改築し、又は移転しようとする場合で、その部分の床面積の合計が10㎡以内であるときについては、適用しない」とされています。

すなわち、後付けバルコニー(※建築物の扱いとなったもの)の床面積が10㎡を超える場合には、確認申請が必要となります

③ 防火地域・準防火地域の場合

上記の建築基準法(第6条2項)は、「防火地域および準防火地域 “外” において建築物を増築し、改築し、又は移転しようとする場合・・・適用しない」とされています。

つまり、後付けバルコニー(※建築物の扱いとなったもの)を設置しようとする地域が、防火地域や準防火地域であった場合には、10㎡以内のものであっても確認申請が必要となります

ポイント / 防火地域・準防火地域とは?

「防火地域・準防火地域」とは、都市計画法に基づいて、火災が発生した場合の被害が大きい市街地(駅前繁華街や建物密集地)などが指定されます。
火災の危険(延焼など)を防除するため、火災に強い構造や材料を使用することが建築基準法で義務付けられています。

自分の地域が、防火地域・準防火地域かどうかは、市区町村のホームページから検索できます。

無申請で工事するとどうなる?

無申告であることが発覚した場合、当該建築物の違反を是正するために必要な措置を命じられ、最悪の場合には懲役刑や罰金刑にいたることがあります。

また、施工中やその後に無申告であることが発覚しなかったとしても、将来的には以下のようなデメリットがあります。

デメリット 1:安全性の問題

確認申請を行う際には、その工事計画(基礎の大きさや設置方法など)も検査対象となります。すなわち、確認申請・検査で適正とされ、計画通りの工事を行ったものに関しては、行政からその“安全性”を担保されたものとなります。

そういった意味では、無申告の工事は、安全性の担保が不明瞭であり、施工業者が“どう作るか”によってその安全性が大きく左右されてしまいます。

デメリット 2:資産価値の低下

将来、家を売ろうとした時に、設置された後付けバルコニーが無申告のものであったり、違反建築物であることが発覚した場合、不動産の価値としてマイナスとなります。
当然ながら、通常の不動産価格よりも低い評価金額で買取りをされてしまい、最悪の場合には売却できないリスクもあります。

また、違反建築物の物件を買い手が購入する場合、銀行等に不動産の担保価値が認めてもらえず、住宅ローンを組めない可能性が高いです。

デメリット3:リフォームや増築時にトラブルのきっかけとなる

将来、子どもが家を継いで、確認申請が必要な規模のリフォームや増築を行う際に、既設の後付けバルコニーが無申告のものと分かった場合には確認申請の手続きが難しくなります。

そして、場合によっては当該バルコニーの撤去や改修が必要となり、余計な費用が生じてしまうことにもなります。

デメリット4:保険が下りない可能性がある

火災保険や地震保険において、通知義務違反(増築を伝えていない)のもの、違反建築物であることが原因で損害が発生したものである場合、保険金が支払われない場合があります。

建築物の倒壊や飛散によって近隣に被害を与えてしまった場合なども、十分な補償が受けられない可能性があるので注意が必要です。

安心して工事をするためのポイント

■ 自分でも確認申請が必要な工事なのか調べてみる

先述した“確認申請が必要となるもの”とは別の考え方として、
確認申請が不要なもの”を考えてみます。

  • 建築物の扱いにならないもの
  • 防火地域・準防火地域外で10㎡以内のもの

これらに該当する場合、確認申請は原則不要となります。
また、一部の地域(※右記の①~④以外の地域。「①都市計画区域、②準都市計画区域、③景観法第74条第1項の準景観地区(市町村長が指定する区域を除く。)内、④都道府県知事が関係市町村の意見を聴いてその区域の全部若しくは一部について指定する区域内」)で、後付けバルコニーを設置する場合にも確認申請は不要となります。

こうしたことを自分でもある程度理解して、「確認申請が必要そうなのかどうか」事前に把握しておくことで、工事を依頼する業者とのやりとりも主体的かつスムーズに進めることができます。

市区町村の建築指導課・都市計画課に相談する

繰り返しになりますが、最終的な判断(当該工事において確認申請が必要かどうか)は行政機関が行います。
明確な回答を得たい場合には、市区町村の建築指導課・都市計画課等に相談をしましょう。

その際に、以下のような情報を伝えると相手方も回答しやすくなります。

  • 住まいの地域(〇〇市〇〇町)
  • 住まいの構造(何階建てなのか、木造なのか、鉄骨造なのか)
  • 後付けバルコニーの種類(何階に設置するのか、アルミ製なのか、木製なのか、屋根は付くのか、柱は地面に固定されるのか)
  • 後付けバルコニーのサイズ(横幅〇〇m、出幅〇〇m)

■ 法規に理解のある業者へ相談する

確認申請を伴う工事の場合、通常の工事の流れとは異なります。

例えば、後付けバルコニーの柱を地面に固定する(基礎工事の)際に、申請した工事計画と適合するか確認するため「工程の撮影」が求められる場合があります。

こうした作業を安心して任せるためにも、法規に理解があり、確認申請を伴う工事の経験がある業者に相談・工事依頼をすることは重要となります。

よくあるご質問

後付けバルコニーの面積を算出する場合どこから測るのですか?

一般的には柱芯で計算します。
例えば以下図のような場合、横幅 3.6m×出幅 2.7m=9.72㎡(床面積)となります。

申請費用はどのくらいかかりますか?

後付けバルコニーの単体工事であれば、確認申請費用は総額で20万円前後となることが多いです。

既に設置された後付けバルコニーでも申請できますか?

確認申請は原則として“工事(着手)前”に行う必要があるため、既に設置された後付けバルコニーの確認申請は基本的にはできません

一部で、確認申請の後出しができる場合がありますが…
対象物が現行の法律に適合している場合でも、安全性・構造耐力(確認申請を普通に行った際に認められる水準の工事が行われているか)を証明することは非常にハードルが高いです。

一般的な解決方法としては、対象物を一度解体してから、確認申請を改めて行うことをおすすめします。

まとめ

確認申請の無申告が発覚して行政からの是正命令を受けた際、よくトラブルになるのが「建築主(発注者)と工事の請負人(受注者)のどちらが責任をとるのか」という問題です。

基本的に、確認申請は工事の発注者である建築主が(自身または代理で)行う必要があります
そのため、行政からの是正命令や罰金は建築主に下されることが一般的です。

受注者である業者から、確認申請の説明が無かった場合や不要などと言われた場合には、その是正命令などに対する損害賠償請求を行うことは可能です。

しかしながら、損害賠償を請求するのにも、かなりの労力・時間・お金を費やすこととなります。
トラブルや将来的な損失を防ぐためにも、確認申請が必要な場合には行うようにしましょう。

後付けバルコニー工事の業者選びの際にはその業者が、
・正しい知識をもっているか
・ちゃんと説明してくれるか
・確認申請の経験があるか
なども判断基準として検討をしましょう。

後付けバルコニーの設置費用を知りたい場合は、こちらの記事もぜひご覧ください!

バルコニーって家に後から付けれるの?|後付けバルコニーの魅力とその費用

わざわざ2階に上がることなく、1階で洗濯物や布団を干せると便利です…

もしも・・・
・何から調べれば良いかよく分からない
・自分の考えをうまく整理できていない
・適切な判断ができているか聞いてみたい
といった場合は、専門家に相談することで方向性が明確になることもあります。

私たち・PLATINUM EXTERIOR は、業界初の工事記録サービスをはじめとして、暮らしに安心と品格を添える“本物のエクステリアづくり”を行っています。
もちろん、確認申請を伴う工事もお任せください。
まだ明確に商品や工事の仕様が決まっていない場合でも、お客様の優先事項に沿ったご提案をいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。

この記事の筆者

堀米 元樹

PLATINUM EXTERIOR/代表

二級建築士