カーポートの柱から茶色の濁水!?|業者選びで後悔する「見えない施工不良」のリスク

柱から大量の茶色の濁水が!?

まずは、こちらの動画をご覧ください。
これは、解体中のカーポートの柱下部に、小さな穴を開けた瞬間の様子です。

一見すると何の変哲もないカーポートの柱ですが。
しかし、穴を開けた瞬間に、柱内部に溜まり続けていた大量の茶色い濁水が勢いよく溢れ出しました。
なぜ、このような現象が起きたのでしょうか……?

なぜカーポートの柱の中に濁水が溜まっていたのか?

まず、動画に映っている"茶色い濁水"の正体は、「錆び(サビ)が混じった水」です。

カーポートの柱の内部は空洞構造になっており、雨水や結露水が内部に入ることを完璧に防ぐことは極めて難しいです

特に、柱の上部に取り付けるカバー等は樹脂製のものが多く、経年劣化により10年を経過すると割れやすくなり、そこから雨水が柱内に侵入するケースも多いです。

柱内に溜まった水はどうなるの?

① 腐食(錆び)の発生

動画でも紹介した事例ですが、柱の内部に溜まった水や水分を起因として腐食が生じます。

アルミ自体は腐食にくいものの、内部の固定ボルトや接合部材(スチール製など)が長年水に浸かり続けることで、徐々に腐食が進行していきます。

上の画像のように、
「柱のボルト部分から錆び水が滲んできた」など、腐食の進行がかなり進んでからじゃないと分からないのも、厄介な点のひとつです。

② 凍結による柱の変形

寒い季節に「水道管が凍って破裂した」という事故を、目にしたり、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

これは、配管内の水が凍ることで膨張し、配管を突き破ってしまう現象です。

カーポートの柱内でも、同じように溜まった水が凍ることで、柱に変形が生じるおそれがあります。

このように、柱内部に水が溜まった状態がつづくと、カーポートの倒壊重大な事故にもつながるリスクが発生します。

そこで必要なことは、
適正な施工を行い、柱内部を水が溜まりにくい構造とすることです。

柱の中に水をためない方法(適正な施工方法)

先述の通り、柱の中に雨水や結露水が入ることを完全に防ぐことは極めて難しいです。

それでは、侵入した水を"どのうように溜めないか(抜けるようにするか)"というと、以下のような方法があります。

1、基礎の下に「砕石層」を設ける

基礎コンクリートを流し込む穴の下部に、厚み10cm程度の砕石(割栗石など)の層を設けます。

カーポートの沈下を防止するとともに、柱内部の水が侵入した際の排水に機能します。

砕石層を設ける様子(断面図)

侵入した水の排水(断面図)

実際に砕石層を設けている様子

2、柱に「水抜き穴」を設ける

柱の下部(地面から少しあがった位置)に、Φ6mmほどの穴(水抜き穴)をドリルであけます。

先述した砕石層を設けても、年数が経つと砂や汚れが底部に溜まって、排水が滞ることがあります。

そのように、柱内に水が溜まってしまっても、柱の上部まで水が上がらないように"オーバーフロー管"のような目的で、水抜き穴を設けます。

排水不良の様子(断面図)

水抜き穴からの排水(断面図)

実際に水抜き穴を設けている様子

工程の簡略化などを目的に、砕石層ではなく、基礎の底部に樹脂製の板(アルミ樹脂複合板やポリカーボネート板など)を敷いて、簡易的に沈下防止を図る工法があります。

「沈み込みを防ぐために下に板を敷いてくれたのかな?」と一見すると丁寧に思えてしまう施工ですが、実はこれが大問題です。
適切な厚みの砕石層に比べて沈下への抵抗力が劣るだけでなく、柱内部の水を下に透水しないため、施工当初から「柱内に水を溜め続ける構造」を作ってしまいます。

※底部に樹脂板を置いた工法の生成イメージ。

「目に見えない施工不良」が引き起こすリスク

これまで解説してきたように、
柱内部の排水がうまくいっていない場合、その被害は「人の目から隠れた場所」で静かに進行します。

見た目は、どこにでもある綺麗なカーポート。
ですが、見えない柱の内部では、水が溜まりつづけ、日に日に腐食(錆び)が広がっているかもしれません。

恐ろしいのは、「外観に異変が出たときには、すでに危険な状態になっている」という点です。
最初にご紹介した動画のように、柱が濁水で満たされる頃には、長い歳月とともに腐食が深刻なレベルまで達しているのです。

「工事保証があるから大丈夫」という落とし穴

そして、
この問題の最も厄介な点をお伝えしなければなりません。

柱の中に水が溜まり、腐食などの被害が進行していくには時間がかかります。
問題が「誰の目にも明らかな形」として表面化する頃には、どうなっているでしょうか……?

・「施工業者の工事保証(数年)は既に切れている」
・「施工した会社自体が倒産して存在しない」
・「メーカーに連絡してもなにも補償は受けられない」

動画のような状態になるまでには、少なくとも10年以上の歳月を要します。
工事保証はその会社によって、2年、5年、10年などの期間が定められていますが、その中でも長期である「10年保証」であっても、こうした施工不良はカバーできない場合がほとんどです。

「長期保証が付いているから、何かあっても大丈夫」という安心感は、こうした「目に見えない施工不良」には適切に使用することができず、"大きな落とし穴"となってしまう可能性があります。

まとめ

今回の記事でご紹介した、
柱の中に水をためない方法「① 底部に砕石層を設ける」や「② 柱に水抜き穴を設ける」といった施工方法は、特別なオプション工事ではありません。

メーカーの施工説明書にも明確に記載されている、本来であれば守られるべき基本の工事(メーカー施工基準)です。

しかしながら、
「省いた方が時間・材料費がかからない」
「完成後は見えなくなる作業である」
などの要因から、これらの工程が省略されたり、簡略化されてしまうケースは非常に多いです。

そして、
適正な施工を行わなかったリスクは、10年後の内部腐食や倒壊リスクとなって、すべて施主様に返ってきてしまいます。

カーポート工事・業者選びで「後悔しないために」大切なことは、
「〇〇円」、「〇〇%引き」、「長期10年保証」といった数字の情報だけで判断をしないことです。

数字の"その中身"まで比較することで、複数業者の見積り(相見積り)も正しく比較することができます。

  • 「早さ・価格」を重視する
  • 「品質・安全」を重視する

どちらが、良い・悪いではなく、大切なのは、それぞれの違いを知ったうえで、
お客様自身が納得できる工事を選ぶことです。

工事のメリット・デメリットも含めて、「納得のいくカーポート工事」を一緒に考えてくれる誠実なパートナー(業者)を選ぶこと。

それこそが、工事した後にも満足感が続く、"後悔のない業者選び"の重要なポイントです。

▼こちらの記事では、今回ご紹介をした「砕石層」や「水抜き穴」など、適正な工事(メーカー施工基準)について解説しております。

もしも……

  • 適正な工事はしたいけど、まずは費用だけでも聞きたい。
  • はじめての工事だから、メリット・デメリットをしっかり聞きたい。
  • 「自分にあう工事」を、時間をかけて一緒に考えてくれる業者に相談したい。
  • 砕石層などの完成後に見えない作業が、実際に行われたか確認できるようにしたい。

といった場合は、ぜひ当店へお気軽にご相談ください。

専門家へ相談することで、「何を重視したらよいか」が明確になることもあります。

私たち・PLATINUM EXTERIORは、お客様に「ご契約前から"安心"して、工事をご依頼いただける」ことを目標として、メーカー施工基準に沿った工事(メーカー正規工事)と、その工事内容を見える形で残す工事記録サービスを提供しています。

まだ商品や工事の仕様が明確に決まっていない場合でも、お客様が何を大切にしたいのかを一緒に整理し、その優先事項に沿ったご提案をいたします。

この記事の筆者

堀米 元樹

PLATINUM EXTERIOR/代表

二級建築士